日本マクドナルドが原材料の輸入遅れでフライドポテトに販売制限を設けたのをきっかけに、競合する外食チェーンやコンビニが相次いでポテト商品の増量や割引を打ち出した。「ポテト戦争」が勃発し、突然の競争激化に会員制交流サイト(SNS)上で話題を集めている。
 マクドナルドは1月9日から、国内約2900の全店舗で「マックフライポテト」のL、M両サイズの販売を一時休止した。販売休止は1カ月程度の見込みで、昨年12月24〜30日に続き2度目となる。
 北米から輸入しているポテトが、新型コロナウイルス禍や経由地の災害による物流混乱などで滞っていることが原因。できるだけ多くの客にポテトを提供するために販売はSサイズのみに制限された。マックのポテトは細切りで、カリッとした食感が特徴の人気商品。インターネット上では「ポテト難民」との言葉が登場した。
 これを絶好の好機と捉えたのが「フレッシュネスバーガー」を展開するフレッシュネス(横浜市)だ。今年1月14日から2月27日までの期間限定でフライドポテトを25%増量するキャンペーンを開始。北海道産ジャガイモを使っているため供給に制約はないといい、担当者は「販売は好調。国産を使っていることを知ってもらういい機会になった」と話す。
 ミニストップは人気商品「Xフライドポテト」が3個分入った「バケツポテト」を1月14日に発売。想定以上の売れ行きで「2月以降に販売制限をかける可能性がある」(同社)という。ロッテリア(東京)も、クーポンを提示すると一部ポテト商品を割引するキャンペーンを2月6日までの限定で始めるなど、ポテトを売りにした販売促進策が広がる。
 マクドナルドのポテトが好物という東京都在住の研究員谷合竜典さんは「他社商品にすぐに乗り換えようとは思わないが、このままポテト不足が続けばどうするか分からない」と語った。(共同)

東京新聞 2022年1月29日 09時50分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/157070