FNNプライムオンライン 2/8(火) 18:01

銀行など金融機関のATM(現金自動預払機)を利用する際、おろしたお金を入れるのに使う「現金封筒」。

ATMの横に複数枚まとめて置かれているが、この配置を終了する金融機関が出始めている。京都銀行は2022年1月31日をもって、滋賀銀行は2021年3月31日をもって、それぞれ配置を終了した。

おろした現金を手渡す必要がある時などに便利な現金封筒だが、この配置終了にはどのような理由があるのか? また配置終了について、利用者からはどのような声が寄せられているのか?

まずは、2022年1月31日をもって「現金封筒」の配置を終了した、京都銀行の担当者に理由を聞いた。

京都銀行「持続可能な社会の実現を目指す取り組みの実践」
――現金封筒の設置を終了したのはいつ?

2022年1月31日(月)をもって、ATMコーナーにおける現金封筒の設置を終了いたしました。

――配置を終了した理由は?
環境保全の観点から、紙資源の使用量削減により、持続可能な社会の実現を目指す取り組みを実践するため、ATMでの現金封筒の設置を終了することといたしました。

――以前に比べて、現金封筒を使う人は減った?
近年、ATMの利用が減少していまして、それに伴い、現金封筒の利用も減少傾向にあったと言えます。

――窓口での配布は継続する?
窓口での現金封筒の配布は継続いたします。

――ATMで現金をおろして、どうしても封筒が必要な場合は窓口でもらえる?
ATMをご利用のお客さまが現金封筒を必要とされている場合、窓口にお申し出いただきましたら、現金封筒をお渡ししています。

――配置終了について、利用者からはどのような声が聞かれる?
ご利用者様の具体的なお声まではご回答しかねますが、ご愛用くださっているお客さまにはご不便をおかけすることとなりますので、約5カ月間の事前告知期間を設けてお知らせさせていただきました。

環境保全(紙資源の使用量削減)という主旨に基づくものでありますので、お客さまにはご理解・ご協力いただけるものと考えております。

滋賀銀行「紙資源の削減に寄与すべきと考えた」
京都銀行より一足先に、現金封筒の配置を終了した滋賀銀行。こちらは、配置終了にどのような理由があるのか? 担当者に話を聞いた。

――2021年3月31日をもって、配置を終了した理由は?
SDGsが普及し、レジ袋の有料化など、社会の環境に対する姿勢が大きく変化してきています。
そうした意識の変化を踏まえ、当行も資源の使い捨てを減らし、廃プラスチック対策や、紙資源の削減に寄与すべきと考え、現金封筒を廃止しました。

――窓口での配布は継続している?
多額の現金をおろされる場合も考慮し、お客さまからお申し出があれば、窓口にてお渡しいたします。

――ATMで現金をおろした場合でも、窓口で現金封筒をもらえる?
お客さまからお申し出があれば、お渡しいたします。

――配置の終了によって、どのぐらいコストが削減される?
当行では、大きさの違う現金封筒を3つ(小サイズ、中サイズ、中サイズマチ付)用意しておりましたが、そのうち2つ(小サイズ、中サイズマチ付)を廃止し、これによって年間約1500万円の削減を見込んでいます。
ただし、SDGs関連で行っている、通帳ケースをバイオマスプラスチック配合素材に切り替えたり、クリアファイルを紙製のファイルに切り替えたり、ビニール袋を紙袋に切り替えるなどの取り組みでは、コストが増加します。

――全てを廃止しない理由は?
多額の現金をおろされる場合を考慮しました。例えば、100万円や200万円をおろされた場合に、現金のままお渡しするのは危ないため、防犯面なども考慮して、現金封筒をお使いいただく場合などがあります。

――ATMでの配置終了後、利用者からはどのような声が寄せられている?
当初は、「現金封筒の配置がないのは不便だ」というご意見もいただいておりました。一方で、当行の取り組みにご賛同いただく声も頂戴しています。引き続き、配置終了の主旨をご理解いただけるよう取り組んでまいります。

金融機関のATMの横に配置されている、現金封筒の配置終了。SDGsの流れを受け、今後さらに広がっていくのだろうか。

京都銀行と滋賀銀行では、必要な場合は窓口でもらえるということなので、現金封筒がなくては困るという人は窓口に声をかけてみてほしい。

プライムオンライン編集部
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