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 吉野家は4月19日、「親子丼」の販売を全国の店舗で始めた。2012年に販売していた商品を、10年の開発期間をかけて復活させた。ただ、伊東正明常務の外部講演会での不適切発言を受け、広報活動を自粛。同日に予定していた発表会も中止した。

 同社は公式Webサイトで親子丼について「とろりなめらかな玉子、ぷりっとした鶏肉、シャキっとした玉ねぎ、それぞれの食感を楽しめる吉野家特製たれをたっぷりと使った一品」と紹介。同社は「箸やレンゲが止まらない、うまい・ やすい『親子丼』をコンセプトに商品開発を進めた」としている。

 同社が開示している「食材の原産地情報」によると、鶏肉にはタイ産、玉ねぎは中国産を使用しているという。価格はそれぞれ437円(並盛)、624円(大盛)。

発表会とテレビCMの放映中止
 当初は発売に合わせて、都内で発表会を開催するとともに、タレントの藤田ニコルさんを起用したテレビCMを放映予定だったものの、伊東常務が早稲田大学の社会人向け講座(計29回、受講料38万5000円)で若手女性向けの自社戦略を「生娘をシャブ漬け戦略」と表現し、批判を受けたことで軒並み中止した。

 受講者とみられる人物のSNS投稿によると、伊東常務は他にも「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢・生娘な内に牛丼中毒にする。男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない」などと発言したことが明らかになっている。

 同社は「講座内で用いた言葉・表現の選択は極めて不適切で、人権・ジェンダー問題の観点からも到底許容できるものではない。発言内容および皆さまにご迷惑とご不快な思いをさせたことに深く反省する」とのコメントを発表し、謝罪。伊東常務の処遇についても「社内規定に則って当人への処分を含め厳正に対応を進めていく」としている。

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