2022年08月15日 07時00分 ネットサービス

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既存のインターネット回線ではあまりにも通信が遅く、新しい回線を自宅まで引くには600万円かかるという最悪の選択肢を迫られた男性は、さらなる選択肢として独自のインターネットサービスプロバイダー(ISP)を設立し、自らが会社の社長となることで快適な通信環境を手に入れました。
「ファイバーケーブルガイ」と呼ばれるその男性は、自宅を含む田舎地域のうち30軒でISPを創業し、2022年時点で70世帯ある顧客をさらに600世帯まで拡大する予定であると、技術系メディアのArs Technicaに語りました。


Man who built ISP instead of paying Comcast $50K expands to hundreds of homes | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2022/08/man-who-built-isp-instead-of-paying-comcast-50k-expands-to-hundreds-of-homes/


アメリカ中西部に位置するミシガン州の片田舎に住むジャレッド・マウチ氏は、2002年にミシガン州に引っ越してきてから、ブロードバンド技術が進歩する一方で自宅の通信速度が進歩しないことに悩まされていました。
当初契約していたISPは1.5Mbps(毎秒1.5メガビット)という速度で、契約した2002年には優れたインターネット接続でしたが、その後は片田舎にあるマウチ氏の自宅までケーブルまたは光ファイバーを配線してくれることはなく、通信速度は一向に上がらなかったとのこと。

また、マウチ氏は約50Mbpsを提供するISPに切替えましたが、ISPに連絡をとってケーブルネットワークをマウチ氏の自宅まで延長する依頼をしたところ、5万ドル(約660万円)の費用を請求されたそうです。
結果としてマウチ氏は、2017年ごろに自らISPを設立する計画を立て、2021年1月には自宅を始めとした約30世帯に光ファイバーを配線してインターネットサービスを提供しました。

アメリカ政府は2021年に、新型コロナウイルスに関連する事態の対応と回復を支援するために全国の州や地方、部族政府に合計3500億ドル(約46兆円)を援助する「新型コロナウイルスに対する州および地方財政回復基金」を立ち上げました。基金はミシガン州ウォシュテノー郡に7100万ドル(約94億円)が割り当てられ、その一部がブロードバンドの拡大に充てられました。
マウラ氏は、ウォシュテノー郡で「既存のサービスを受けていない、または十分にサービスを受けていないことがわかっている世帯を接続する」ための入札を勝ち取ったことで資金調達に成功し、顧客を約70から約600まで拡大することをArs Technicaに語りました。

https://gigazine.net/news/20220815-own-isp-expanding/