街は閑散 「日本がうらやましい」の声も  中島恵ジャーナリスト

12月7日に中国政府がゼロコロナ政策を撤廃した結果、全国各地で感染者が急増している。
北京市などでは火葬場に向かう車が渋滞し、火葬できない遺体が順番待ちをしているという。

多くの中国人が厳しすぎるゼロコロナが撤廃されたことに対し、一時的に喜んだが、あまりに急激な方針転換に、すぐに混乱が広がった。
一部の中国人からは「日本のコロナ対策がうらやましい」という声も……。

12月中旬以降、北京や上海に住む筆者の日本人の知人、友人も在宅ワークをしているのにもかかわらず、続々と感染し始めた。
在日中国人からも「北京、上海だけでなく、武漢、重慶、広州、深圳など全国で親戚や友人が軒並み感染している。地域を問わない広がり方だ」という話を聞いた。

中国のワクチンは国内のシノバック社、シノファーム社製の2種類だが、日本など各国で使われているファイザーなどのmRNAワクチンと比較すると
有効性が低いとされていることも、中国人の間に不安が広がっている原因だ。

中国では高齢者のワクチン接種率が低く、1万人あたりの病床率も日本の3分の1程度しかないことから、高齢者の重症化や死亡率が高いといわれている。

北京や上海在住の複数の中国人に現在の状況についての思いを聞いてみると「周りが次々と感染していて、自分が感染するのも時間の問題かもしれない」
「スーパーにいっても店員しかいない。商品もわずか。買えるものだけ買って帰り、できるだけ自宅にひきこもる」「商談も延期になっており、仕事への影響は大きい」という意見があった。

また、日本に以前住んだことのある中国人に聞いてみると、「日本のコロナ対策を以前はゆるい、手ぬるいと思っていたが、いま改めて考えてみると、
日本では強い規制をしないで自主性にまかせてきて、結果的に集団免疫ができたように見える」といった声や、
「ワクチン接種率も高齢者のほうが高い。極端なことが起こらず、コロナでも社会が混乱しない日本がうらやましい」といった声もあった。

https://news.yahoo.co.jp/byline/nakajimakei/20221223-00329728

外出を控える人が増え、閑散とする中国の地下鉄車内
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