ヒグマの「子殺し」道内で初確認 北大クマ研、ふんから爪や歯発見 雌の発情促す
 北海道大学の学生でつくる北大ヒグマ研究グループ(クマ研)は、北大天塩研究林(宗谷管内幌延町)内で行ったヒグマの生態調査で、生まれたばかりの子グマを食べたクマのふんを発見した。子どもを産んだ雌の発情を促すため、雄が行うとされる「クマの子殺し」。海外では既に報告されているが、北海道内で痕跡が見つかったのは初めてという。食べたのは雄の成獣とみられ、「子殺しの証拠」と結論づけられた論文が、国際クマ協会の英文誌に掲載された。(報道センター 内山岳志)

 クマ研は1975年から、春と夏の休みを活用して北大天塩研究林内を流れる天塩川支流の問寒別(といかんべつ)川に流れ込む沢沿いを中心に設定した28のルートを歩き、ヒグマのふんや足跡、爪痕、食痕などを調査している。今回のふんは2017年4月30日、問寒別川の支流であるヌポロマポロ川上流部の左岸の雪の上で見つけた。

 当時、大学2年生だった伊藤泰幹さん(26)=現在は北大大学院文学院に所属=は「初めはただの泥かと思った」と振り返る。...(以下有料版で,残り:1395文字)

北海道新聞 2023年2月15日 07:30(2月15日 11:35更新)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/801892/