広島大は4月1日、法学部を東広島キャンパス(東広島市)から東千田キャンパス(広島市中区)に移す。東広島移転から28年ぶりの「都心回帰」。東千田にある法科大学院との連携を強め、優秀な学生の獲得に注力する。

東千田キャンパスには従来から法学部夜間主コース(定員140人)があり、新年度から昼間コース(同580人)が合流する。移転に合わせ、研究室や食堂が入る鉄筋6階延べ約6200平方メートルの新校舎を整備した。

昼間コースの2~4年生の授業やゼミは原則、東千田キャンパスだけになる。1年生は週3日、霞キャンパス(南区)で医、歯、薬学部生とともに教養科目を受講。東千田、東広島両キャンパスでも週1日ずつ授業がある。法学部移転に伴う新校舎建設などの事業費は約23億円。市や地元経済界、卒業生の寄付を積み立てた基金などで賄う。

同大は21年6月に移転を正式発表。その年度にあった入試では法学部の志願倍率(前期)は2・4倍と、前年度の2・0倍から上向き、教育関係者の間では都心回帰のインパクトという見方もあった。

司法試験の合格率アップへの期待も大きい。広島大法科大学院修了生の22年の合格率は22・7%で、全国平均(45・5%)の半分にとどまっている。どう底上げにつなげるか。都心の同じキャンパスに学部と法科大学院がそろう今回の移転は、少子化の中で質の高い学生を呼ぶ込む最大の好機となり得る。

中国新聞社 3/30最終更新: 07:56
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