※2023/06/14 05:00
読売新聞

今治タオル 端の仕上げ
高齢化で人材不足 工業組合「地場産業 支えて」

 全国有数のタオルの産地、今治市の今治タオル工業組合(正岡裕志理事長)が、タオルの端の仕上げ縫い「ヘム縫い」を手がける人材の育成に乗り出す。職人の高齢化や人口減で人材不足が深刻化しており、技術を継承して地場産業の下支えにつなげるのが狙いだ。関係者は「長年培ってきた技術を後世に紡いで残していきたい」と話す。(浜畑知之)

 タオルは長辺側の両端を「 耳みみ 」、短辺側を「ヘム」と呼ぶ。ヘム縫いがしっかりされていないと洗濯した時などにほつれ、タオルの寿命が短くなるため、ヘム縫いはタオル作りの重要な工程の一つとされる。

 同組合には最盛期で500社(1976年)が加盟。タオル産業は、造船業とともに今治の名を全国区へと押し上げた代表的な地場産業だが、近年は海外から安価なタオルが流入するなど時代の変化もあり、80社(1日現在)に減少。かつては多くの内職職人が下支えしていたが、現在は慢性的な人材不足に陥っている。

 今治でのタオル製造は、糸の染色やタオルを織る作業、箱詰めなど分業制で成り立っている。ヘム縫いの工程も大半は縫製業者が担当する。機械化が進んでいるものの、織物に合わせたヘム縫いの方法は様々で、多くは手作業で行われている。そうした現状を踏まえ、業者任せにせず、業界が一丸となって人材育成に取り組むこととなった。

 同組合は今年3月、指導にあたる縫製士を採用。メーカーごとにタオルの仕様や求められる技術が異なるため、現場で働く縫製士に聞き取りを行い、育成カリキュラムを作成した。7月に組合員向けに講習を実施し、修正点を見直した後、一般を対象に開講する。

続きは↓
https://www.yomiuri.co.jp/local/ehime/news/20230614-OYTNT50058/