「連絡切符」が買えない! 首都圏の鉄道各社が販売縮小、そのわけは?<ニュースあなた発>
2023年6月17日 17時00分 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/257288?rct=t_news


鉄道で他社の路線にまたがって乗車する際、「連絡切符」という1枚にまとめた切符がある。東京都三鷹市の男性(69)から本紙「ニュースあなた発」に、「最近、連絡切符が買えなくなった」という情報が寄せられた。調べてみると、首都圏の鉄道各社が、3月で連絡切符の発売を大幅に縮小していた。その理由は?(中沢誠、須藤恵里)

◆3月のダイヤ改正を契機に

情報を寄せた男性は4月、最寄りの京王線仙川駅でJR線の三河島駅まで行こうとして、券売機で連絡切符が購入できなくなっていることに気付いた。仕方なく、新宿までの切符を買い、新宿でJRの切符を買い直して三河島へ向かった。

本紙が京王電鉄に問い合わせると、3月18日のダイヤ改正に伴い、接続する他社との連絡切符の発売を一部終了したという。広報担当者は「ICカードが普及し、切符の利用実績が減っているので」と明かす。

首都圏の鉄道各社に取材すると、他社も同じような理由で3月で発売を縮小していた。今年はバリアフリー対応などで運賃を引き上げた会社が多く、京急電鉄は「運賃改定に合わせた」と説明している。

◆ICカード普及「役割終えた」

男性は「ICカードを持っておらず、連絡切符がなくなって不便」と言う。ただ、男性のような切符派は今やまれな存在だ。

交通系ICカードのSuica(スイカ)が誕生して20年余り。ICカードがあれば連絡切符を買う必要がない。JR東日本では、2021年度の首都圏の利用客のうち、切符の利用率は5%。JR東日本の広報担当者は「連絡切符の役割は終えた」と話す。

それでもJR常磐線と東京メトロ千代田線のように直通運転している場合は、切符の乗客に配慮し、連絡切符の発売を続けている。

3月から東急電鉄と相模鉄道で直通運転が始まった「相鉄・東急新横浜線」では、開業時から連絡切符がそもそもない。切符で乗車すると精算が必要になるが、東急は「ICカードの利用実態を鑑みて販売方式を変えた」としている。東急のICカードの利用率は21年度実績で97%と、JR東日本を上回る普及率だ。


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