高級「東武の日光」と手軽「小田急の箱根」 正反対戦略のなぜ
7/19(水) 6:00 日経ビジネス
https://news.yahoo.co.jp/articles/1990458c063525244facf15ef6e9794d422b2a25


首都圏の有力な観光地・避暑地である日光(栃木県)と箱根(神奈川県)。東武鉄道と小田急電鉄は観光客獲得を競い合ってきた。東武は7月15日に新型特急「SPACIA X(スペーシア X)」の運行を始めて高級路線にかじを切る。一方の小田急は気軽さを訴求。正反対の戦略で沿線間競争を勝ち抜こうとしている。

7月15日、東武鉄道の新型特急「スペーシア X」の運行が始まる。東京の浅草と日光・鬼怒川温泉(栃木県日光市)を結ぶフラッグシップ特急としては、1990年に導入された現行のスペーシア以来、33年ぶりとなる。

スペーシアと比べて定員を約4分の3に減らす一方、特急料金を高めに設定(参考記事「単価アップで収益確保 特急も通勤列車も『プレミアム化』」)。2021年に終了していた車内での軽食や飲料の提供を復活させることにした。

担当者が「日光・鬼怒川温泉に着くまでにおなかがいっぱいにならないように配慮した」と話すメニューは、クラフトビールやクラフトコーヒーなど、日光のものにこだわっている。例えば三ツ山羊羹本舗(栃木県日光市)は、名物の一口ようかんを車内で販売する。三ツ山泰弘代表取締役は「日光に到着してから、ぜひ店にも足を運んでもらえれば」と相乗効果を期待する。

日光には中禅寺湖、華厳の滝など豊かな自然に加えて、日光東照宮という歴史・文化スポットもある。そのため、首都圏在住者にとっては修学旅行の行き先としてのイメージが強いようだ。日光市が19年に栃木県を除く関東圏在住者に対して行った意識調査では、歴史・伝統にまつわるイメージが強い一方で、魅力的・おしゃれな店があるイメージは低かった。その結果、1~2泊で行きたい旅行先のトップ10には入らず、箱根(神奈川県)、熱海・伊豆(静岡県)、軽井沢(長野県)などに大きな差を付けられている。

そこで東武は、日光エリアをワンランク上の観光地にすべく、ここ10年ほど重点投資を進めてきた。


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