東洋経済オンライン 7/28(金) 5:41

携帯電話市場でNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は8割強のシェアを誇るが…

 「今後、従来のようなMNO3社が市場の大半を占める状況から変化していく」

 総務省が6月末に開いた有識者会議の資料。そこには、通信市場が転機を迎えていることを示唆する一文が盛り込まれていた。

 「MNO(移動体通信事業者)3社」とは、大手通信キャリアであるNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクを指す。総務省によると、2023年3月末時点の3社のシェアは80%強と、国内携帯電話市場においては圧倒的な存在だ。

 第4の通信キャリアを目指して2020年4月から本格参入した楽天モバイルは、「ゼロ円プラン」廃止などの影響により、この1年で大きく契約者数を減らした。足元の伸びも低調とみられ、この先も急速なシェア拡大は想定しづらい情勢にある。

■格安スマホのシェアは過去最多に

 では、大手3社の牙城を揺るがす可能性のある勢力は何者なのか。

 その隠れた刺客は、一般に「格安スマホ」と呼ばれるMVNO(仮想移動体通信事業者)だ。国内携帯電話市場における2023年3月末時点のMVNOのシェアは14.3%。1年前から1.3%上昇し、過去最多となっている。

 MVNOは、大手キャリアから通信回線を借り受けて通信サービスを提供する。キャリアと比べると速度などの点で通信品質が見劣りしがちと言われるが、その代わりに料金プランは大手キャリアよりも安いケースが多い。

 現在は全国に約1800の事業者が存在し、「IIJmio」を運営するIIJが業界最大手。そのほか、2001年に日本で初めてMVNOを手がけた日本通信や、「mineo」を展開する関西電力子会社のオプテージなどが有名だ。

 大手3キャリアと楽天モバイル、MVNOを比べると、この1年でシェアを伸ばしたのはMVNO陣営のみだった。総務省によれば、楽天モバイルを含めたMNO4社合計の契約数は直近1年で61万の減少だった一方、MVNOは86万増えている。

 ここにきてMVNOがシェアを拡大させているのには、意外感がある。

 というのも、2021年春から本格化した大手キャリア各社の値下げによって、MVNOの料金プランとの価格差が縮小。従来、料金の安さこそが持ち味とされていた分、ユーザー目線では、MVNOに対する魅力は薄らいだと考えられたからだ。

 そうした事情から、大手シンクタンクの野村総合研究所は2021年末、MVNOの回線数が今後7年で7割減少するとの予測を発表するほどだった。しかしふたを開けてみると、2022年は確かにシェアを落としたものの、2023年にはV字回復を果たした格好だ。

■シェア拡大に転じた3つの理由

 「MVNO悲観説」を覆し、足元でシェア拡大に転じられた要因は何か。大別すると、以下の3つが挙げられるだろう。

 第1に、各社が20GB以上の中・大容量帯プランの投入を進めていることだ。これまでMVNOが展開していたプランは10GB以下の低容量帯がほとんどで、キャリアが得意とする中・大容量帯とのすみ分けがされていた。

 しかしこの1~2年、MVNOはキャリアの得意とする領域への展開を加速。例えば日本通信は、2021年2月から「合理的20GBプラン」(データ使用量20GB・月額税込2178円~)の提供を始めた。同社によると、同年3月に提供されたドコモの新料金プラン「ahamo」(同20GB・2970円~)などへ対抗する狙いがあったという。

 ソニーの子会社が運営するMVNO「ニューロモバイル」でも、2021年11月から「NEOプラン」(同20GB・2699円~)の提供を開始した。2023年3月からは、MVNOとしては異例とも言える大容量の40GBのプラン(同3980円~)も手がけている。

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