ひつぎのドライアイスで中毒 CO2吸い込み、死亡事故も―消費者庁

 葬儀で故人とのお別れをする際、ドライアイスを入れたひつぎに顔を入れると、気化した高濃度の二酸化炭素(CO2)を吸って中毒になる危険性があるとして、消費者庁などが21日、注意喚起した。CO2中毒が原因とみられる死亡事故も起きており、同庁担当者は「ひつぎに顔は入れず、手で頬に触れるなど他の方法でお別れを」と話している。

 消費者庁によると、宮城県の葬儀場で2021年5月、小窓が開いたひつぎの側で70代の人が意識不明で見つかり、その後亡くなった。20年2月には、沖縄県内の自宅に置いたひつぎに顔を入れた状態で発見された60代の人が死亡した。いずれもひつぎにはドライアイスが敷き詰められ、CO2中毒死の疑いがある。
 葬儀では一般的に、ひつぎにドライアイスを入れて冷やし、遺体の腐敗を防ぐ。一方、CO2は空気よりも重く、低い場所にたまる特徴がある。
 国民生活センターは今年7〜8月、約10キロのドライアイスを入れたひつぎのCO2濃度の推移を測定。ふたを閉めた20分後には、「ほとんど即時に意識消失する」とされる30%を超え、4時間後からは90%前後を維持した。ふたを外すと60%まで下がったが、50分過ぎても30%を下回らなかった。

時事通信 2023年09月21日19時21分
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