“お尻を洗う”を根付かせ約40年 “トイレ=不潔”脱却にも成功したTOTOの革命とさらなる進化
2023-11-19 ORICON NEWS
https://www.oricon.co.jp/special/65687/


11月19日は、世界トイレの日。清潔で快適なトイレは日本が世界に誇る文化の1つ。数年前には訪日外国人がこぞって温水洗浄便座を買う様子がたびたびニュースで報じられたものだ。それからコロナ禍を挟み、近年は世界各国で温水洗浄便座の普及が飛躍的に伸びているという。そもそも日本で「お尻を洗う文化」が浸透したのも、ここ40年ほどの話。それまでなかった「お尻を洗う」という概念を定着させるまでの軌跡をTOTOに聞いた。

ウォシュレット定着のきっかけとなった戸川純出演CMの功績

TOTOが日本で一般家庭向けの温水洗浄便座「ウォシュレット」を発売したのは1980年6月のこと。現在は他メーカーでも温水洗浄便座を製造・販売しているが、「ウォシュレット」と商品名を勘違いされるほど認知度が高い。

「もともと温水洗浄便座はアメリカで医療用に開発され、TOTOでは1960年代から主に病院向けに輸入販売していました。その後、清潔を好む日本人に広く受け入れられる可能性があるのでは、という考えから一般家庭向けに独自開発した経緯があります」(TOTO広報・松竹博文さん/以下同)

とは言え、当時は一般家庭に和式トイレも多く、そもそも「お尻を洗う」という概念自体がなかった。そのメッセンジャーを担ったのが、近年TikTokで再ブレイクしているニューウェーブの歌姫・戸川純だ。1982年に戸川純を起用したCMの「お尻だって、洗って欲しい」というキャッチコピーは鮮烈だった。お茶の間に入ってきた突然の「お尻」というワードにドキッとした視聴者も多かったが、戸川のキュートで不思議な存在性も相まって妙な説得力があったのもたしかだ。

「戸川さんの果たしてくださった功績はとても大きかったです。とは言え、すぐに『じゃあ洗ってみよう』とはならなかったのも事実。まずは体験しないとその快適さはわかっていただけないだろうと、ウォシュレットをいち早く設置した飲食店のマップを配布するなどして、地道な普及活動を行いました」

発祥はアメリカだったものの…海外でウォシュレット普及が伸び悩むワケ

発売当初は出荷も伸び悩んだというウォシュレットだが、その快適な使用感は一度使ったら手放せない。1998年に1000万台を突破して以降は出荷スピードも早く、2020年3月時点で温水洗浄便座の一般世帯普及率は80.2%(内閣府調べ)に。またショッピングモールやオフィスビル、新幹線などにも設置され、今や日本人の生活になくてはならないものとなっている。

また訪日外国人もその快適性を絶賛。2005年に来日したマドンナが「ウォシュレットに会いに来た」とコメントしたり、レオナルド・ディカプリオやウィル・スミスらもTOTO製品の愛用を公言するなどしたことから、世界的な知名度も増していった。


※全文はリンク先で