アメリカ軍は15日、中東イエメンの反政府勢力、フーシ派が紅海を航行していたアメリカの貨物船を弾道ミサイルで攻撃したと発表しました。フーシ派もアメリカの船への攻撃を認めた上でさらなる攻撃を示唆していて、地域の緊張が高まることが懸念されます。

アメリカ中央軍の発表によりますと、現地時間の15日午後4時ごろ、イスラム組織ハマスとの連帯を掲げるイエメンの反政府勢力、フーシ派が紅海南部を航行していたアメリカ企業が所有・運航するコンテナ船を弾道ミサイルで攻撃したということです。

乗組員にけがはないほか、船は深刻な被害を受けておらず航行を続けているということです。

アメリカ中央軍は、このおよそ2時間前にも周辺の海域にフーシ派が弾道ミサイル1発を発射したことを確認したということです。

フーシ派の報道官もSNSで、アメリカの船への攻撃を認めた上で「アメリカなどの船舶や軍艦は、すべてわれわれの標的とみなす」として、さらなる攻撃を示唆しています。

アメリカ軍は、今月12日と13日の2日間連続でフーシ派が船舶への攻撃を繰り返していることへの直接の対応だとして、イエメンにあるレーダー施設などを攻撃していて今回のフーシ派による攻撃は、その報復とみられます。

今後、アメリカ軍とフーシ派の軍事的な応酬が激化すれば、地域の緊張が高まることが懸念されます。

フーシ派報道官「米英の船舶や軍艦 すべて標的とみなす」

フーシ派の報道官は15日、SNSに投稿したビデオ声明で「ミサイルを使ってアデン湾でアメリカの船を標的に攻撃を行った」としてアメリカの船を攻撃したことを認めました。その上で「わが国への侵略に関与するアメリカとイギリスの船舶や軍艦は、すべてわれわれの標的とみなす。アメリカやイギリスの攻撃には反撃せざるをえない」として、さらなる攻撃も示唆しています。

NHK NEWS WEB
2024年1月16日 9時07分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240116/k10014322521000.html