輪島塗の事業者でつくる石川県輪島市の輪島漆器商工業協同組合は27日、能登半島地震で工房や店舗のほとんどが大きな被害を受け、製造再開には1、2年以上かかるとの見通しを明らかにした。市内を同日視察した斎藤健経済産業相に早期再開への支援を要望した。

組合によると、加盟する103社のうち13社の建物が「朝市通り」の火災で焼失。20~30社の事業所が全壊し、他の社も大半が半壊した。

組合の日南尚之理事長(64)は取材に、「輪島塗は日本を代表する産業。職人や事業者の生活を守るためにも、まずはインフラの復旧を進めてほしい」と話した。


輪島塗は下地漆に「地の粉」と呼ばれる地元のケイ藻土を混ぜた漆を使用するなどの特徴がある。組合や文化庁のホームページによると、輪島塗は100以上の工程で生み出され、工程ごとに専門の職人が分業して生産。昭和52年に国の重要無形文化財に指定された。

産経新聞 2024/1/27 21:12
https://www.sankei.com/article/20240127-KFKN32LEEZOJZHTL5OQJYROJOI/