JR北海道の綿貫泰之社長は21日、経営改善に向けて運賃の値上げを検討していることを明らかにした。まもなくまとめる2024~26年度の次期中期経営計画に値上げの方針を盛り込む可能性がある。実現すれば、19年10月の消費税率引き上げに合わせた値上げ以来となる。

 綿貫社長はこの日の定例記者会見で「中期計画の策定にあたってさまざまなことを検討している。運賃、料金施策もそのなかの一つだ」と話した。時期や値上げ幅は明らかにしなかった。「資材や燃料がかなり高騰し、鉄道を持続させるには輸送サービスの改善も欠かせない。人材の確保、育成の観点からも運賃改定を検討せざるを得ない」と理由を話した。

 JRが値上げするには国に申請し、認可を得る必要がある。JR北の24年3月期は、すでに国の支援を受けているものの純損益が84億円の赤字となる見通しで厳しい状況が続いている。19年10月の運賃改定では平均で11・1%(消費税増税分を除くと9・1%)値上げした。(新田哲史)

朝日新聞 2024/3/21 21:30
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