JR東海は8日、リニア中央新幹線第1首都圏トンネル(約37キロ)の北品川非常口(東京都品川区)から名古屋方面へ向かう北品川工区で、調査掘進を再開したと発表した。シールドマシン(掘削機)の損傷で、掘削予定の300メートルのうち124メートルを掘って中断していた。今年夏ごろの完了を見込んでいる。

◆愛知の2工区でも同じ日に開始
 第1首都圏トンネルは、東京都町田市までの33.3キロが地下40メートル以深の大深度地下を通る。同様に大深度を掘る東京外郭環状自動車道の東京都調布市のトンネル工事で2020年10月以降、陥没や空洞が発生したため、北品川工区では21年10月に地上への影響を調べる調査掘進を始めた。だが22年3月と昨年10月の2度にわたり、掘削機の損傷で掘進を中断していた。
JR東海によると、8日には愛知県春日井市と名古屋市を結ぶ第1中京圏トンネル(計2工区)でもそれぞれ調査掘進を開始。このうち春日井市側の坂下西工区は22年7月以降、立て坑のコンクリート壁を掘削機が削れずに開始が遅れていた。同工区の調査掘進は約250メートルを半年ほどで掘る予定。名古屋寄りの名城工区では約300メートルを今年夏ごろまでに掘るという。(梅野光春)

東京新聞 2024年4月8日 19時19分
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