札幌市が金融特区をめざしているGX(グリーン・トランスフォーメーション、脱炭素化)の担当部署の職員の1人あたり残業時間が、昨年6〜10月の5カ月連続で100時間を超えていたことがわかった。最も多い月は155・3時間だった。発症前1カ月間に100時間超の残業をしていた場合は労災で過労死に認定される「過労死ライン」を超えていた。

 秋元克広市長は10日の会見でGXの部署が「通常2〜3年かかる作業を1年足らずでやっている」と説明し、残業時間の増加は認めていた。「人事体制を増強して、職員の負荷は少なくしている」と述べている。人員は当初の1人から9人まで増えたが、11月以降も残業時間は60〜70時間台。今年1月には100時間超に戻るなど、依然として高水準にある。

 市の内部資料によると、当該部署は昨年5月にまちづくり政策局に発足した。同局内の他部署の同時期の残業時間は最高でも約40時間で、GX部署は突出する。秋元氏は今年1月、自らが本部長を務めるGX推進本部を設置しGXを市の最優先政策に位置づけるなど、前のめりの姿勢が目立つ。GXを巡っては、長谷川岳参院議員(自民党、北海道選挙区)が担当職員にパワハラ的な言動をしたり、同氏と面談するために担当部署の職員が東京に出張した回数が8カ月間で25回にのぼったこともわかっている。(日浦統)

朝日新聞 2024年4月12日 20時30分
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