イギリスで、難民認定を申請するため不法に入国した人たちをアフリカのルワンダに強制的に移送するための法案が議会で可決されました。
難民の支援団体などは強く反対していますが、来年1月までに行われる総選挙を見据えて、不法移民の阻止を主要政策に掲げてきたスナク政権は、ことし7月ごろ移送を始めたい意向です。

イギリスのスナク政権は、難民認定を申請するためフランスとの間のドーバー海峡をボートで渡るなどして不法に入国する人たちへの対応が財政を圧迫しているなどとして、アフリカ東部のルワンダへ資金援助と引き換えに強制的に移送する計画を進めています。

計画についてイギリスの最高裁判所は、去年11月、移送された人がルワンダからそれぞれの出身国に強制送還されるおそれがあり、違法だと判断しました。

これを受けてスナク政権は、移送された人々をルワンダから送還しないことを保証するとした協定をルワンダ政府と結んだ上で移送計画は、人権に関する法律の適用外で、問題がないとする緊急の法案を議会に提出しました。

法案は、下院に続いて22日上院でも審議が行われ可決されました。

スナク首相は発表した声明で「世界的な移民の問題に根本的な変化をもたらすものだ。不法に入国した人は、滞在できないことが明確になる」と強調しました。

スナク政権は、来年1月までに行われる総選挙を見据えて、不法移民の阻止を主要政策に掲げてきたもので、首相は、移送について「最初の便は10週間から12週間後に飛び立つ」と述べことし7月ごろ始めたい意向です。

イギリスの新聞「テレグラフ」など、複数のメディアは、当局が数日以内に対象となる人たちの拘束を始める見通しだと伝えていますが、難民の支援団体などは人権侵害だとして強く反対しています。

以下ソース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240423/k10014431051000.html