兵庫県芦屋市は4日、昭和20年に広島市で被爆したアオギリの種から育ち、芦屋市役所の敷地内に植えられていた「被爆アオギリ2世」の苗木1本がなくなったと発表した。同市は県警芦屋署に被害届を提出。同署は何者かが引き抜いて盗んだとみて窃盗容疑で捜査を始めた。

 同署などによると、被害は3日午後5時ごろ、芦屋市原爆被害者の会の千葉孝子会長(75)が見つけ、「苗木がなくなっている」と市に連絡。苗木が植えられていた周辺には靴跡が残っていたという。

 同市によると、苗木は爆心地から約1・3キロで被爆したアオギリの種から育った「2世」。核廃絶運動を進める自治体で構成する「平和首長会議」(会長・広島市長)が希望した自治体に配布したもので、平和の尊さを伝えるため、先月2日に千葉会長と幼稚園児らが植樹した。

 芦屋市の山中健市長は「大変残念。平和への願いに対する挑戦なら断じて許せない」とコメントした。

http://www.sankei.com/west/news/170604/wst1706040037-n1.html