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2018年6月11日 / 02:20 / 4時間前更新
G7発言巡り米・カナダの緊張高まる、欧州首脳は米批判

[ケベック市(加ケベック州) 10日 ロイター] - 米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は10日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)で議長を務めたカナダのトルドー首相について、貿易政策に関する「矛盾した」発言でトランプ大統領を裏切ったなどと述べて批判した。これを受けて両国間の緊張は一段と高まった

トランプ大統領は9日、G7サミットを途中で切り上げ、米朝首脳会談が行われるシンガポールに向かう途中、急きょ首脳宣言を受け入れないとツイッターで発表。G7の他の加盟国は対応に追われた。

ドイツとフランスの首脳は、トランプ氏が一転して首脳宣言を認めないと表明したことを厳しく非難した。

カナダのフリーランド外相は10日、記者団に、「カナダは個人攻撃を通じた外交は行っていない。特に、同盟国に関する個人攻撃は差し控えている」と述べた。

フリーランド氏は、米国による鉄鋼・アルミニウム製品への高関税に、慎重ながらも匹敵する形で報復する方針をあらためて示した。ただ、対話の用意は常にあると付け加えた。

カドローNEC委員長は米CNNテレビの番組で、トルドー首相のG7での発言によって、歴史的な米朝首脳会談に向かったトランプ氏が弱々しく見えてしまう可能性もあったと指摘し、「米国の背中を刺したようなものだ」と批判した。カドロー氏はG7サミットに同行していた。

トルドー首相はG7閉幕後の記者会見で、カナダ政府が来月から米国に報復措置を講じることに言及。「カナダの国民は理性的だが、言いなりにはならない」と語っていた。

トランプ大統領はツイッターで、トルドー首相は「極めて不誠実で弱い奴」と応じた。

ホワイトハウスのナバロ通商製造政策局長は米FOXテレビの番組で、トランプ大統領と「不誠実な外交を展開するいかなる首脳もひどい目に遭う」と警告した。

トルドー首相は、G7以外の首脳との会談のためケベック市に到着した際、コメントしなかった。首相府は、G7記者会見でのトルドー氏の発言は、これまでトランプ氏に直接伝えた内容と異なっていないと説明した。
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