国が様々な政策を作る際の根拠となる統計で、不正な調査が行われていたことが分かりました。

どんな問題があるのでしょうか?

不正な調査があったのは厚生労働省の「毎月勤労統計」、働く人の賃金の動向などを毎月調べて世帯給与の伸びなどを算出するものです。

本来従業員500人以上の事業所はすべてを調べるルールなのに、厚労省は2004年から役人の勝手な判断で一部を抽出調査に変えていました。

これが統計の制度に影響し、延べ2,015万人への雇用保険や労災保険などが、本来より少なく給付されていました。

いい加減な統計調査が行われ実情にそぐわない政策が決まると、国民が迷惑するだけでなく投資家をはじめ諸外国からも信頼されなくなります。

「統計が乱れれば国が乱れる」とも言われ、時に国家の存亡にも直結する重大なものなのです。

太平洋戦争時、日本の軍部は大本営発表で実際になかった戦果をでっち上げ、国民には本当の戦況が伝えられませんでした。

戦果も統計ですありえない数字をでっち上げたため無謀な戦争が続けられ多くの犠牲者を生みました。

戦後の食糧難の時、当時の吉田茂首相が政府統計をもとにマッカーサー元帥に食料供給を迫ると「日本の数字はずさんだ」と渋られました。

吉田首相は、「戦前に我が国の統計が完備していたならあんな無謀な戦争はやらなかった。日本の統計が正確だったら戦争に負けていませんよ。」と言い返したそうです。

※文字が無いので、Youtube版の文字起こし機能を使用、音声に忠実に少し修正しました。(安倍ちゃん★)

(ソース) 
統計不正、そもそも何が問題? 吉田茂まつわる逸話も…
https://www.asahi.com/articles/ASM21043KM10UEHF01Y.html
星野典久 2019年2月1日10時11分