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「事故原因わからず…」同システムの他の6路線、通常運行を続行 シーサイドライン逆走
毎日新聞 2019年6月2日 20時23分(最終更新 6月2日 20時47分)

 横浜市磯子区の新交通システム「シーサイドライン」の新杉田駅で1日、車両が逆走して14人が重軽傷を負った事故があった。国土交通省によると、コンピューター制御で無人走行する新交通システムを導入しているのは、東京都の「ゆりかもめ」や大阪市の「ニュートラム」、神戸市の「ポートライナー」「六甲ライナー」など事故があったシーサイドラインを含めて7路線ある。同省鉄道局は「他の事業者に安全対策の徹底などを求めることも検討しているが、事故原因をある程度把握しないと具体的な指示ができない」として、通達などは出していない。

 シーサイドライン以外の業者は通常運行を続ける。ゆりかもめの担当者は「事故原因が分からない中では対応しようがない」と話す。「ニュートラム」を運行する大阪メトロの広報担当者は「運行システムが似ているので気になる事故だ。現場の従業員には注意喚起したが、原因が分からない現時点で具体的な対応策は取れない」とする。車両の緊急点検などは、今のところ予定していないという。

 日本大学の綱島均教授(鉄道工学)は「事故はシステムの信頼性に関わる問題で、他の路線の乗客も不安を抱えている。原因を究明するまでは車内に添乗員を置いて、非常時に備える必要がある」と指摘。関西大学の安部誠治教授(交通政策論)は「システムの欠陥がある場合は、他の事業者にも影響が及ぶ可能性が高く、早急に原因を究明する必要がある」と話している。

 国交省関東運輸局は2日、「横浜シーサイドライン」に対し、原因究明と再発防止策の策定を求める文書を出した。【松本惇、椋田佳代、安藤いく子】

逆走して車両止めに衝突した際、車両同士がぶつかり大きくへこんだシーサイドラインの2両目後部=横浜市金沢区で2019年6月2日午後7時14分、喜屋武真之介撮影
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