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沼津市談合、職員ら起訴 入札予定価格漏えい 静岡地検 2019/11/9 08:11

 沼津市発注の駐輪場改修工事の入札予定価格を事前に漏らしたなどとして、静岡地検は8日、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪で市工事検査課主任の男(62)=伊豆の国市北江間=、公契約関係競売入札妨害の罪で元沼津市職員の無職の男(69)=同市大岡=、土木建設会社社長の男(47)=同市白銀町=の両容疑者を静岡地裁に起訴した。

 起訴状などによると3被告は共謀し、3月に執行された同市発注の原駅駐輪場改修工事の一般競争入札について、1月29日に市工事検査課主任の男が電話で最低制限価格の算出根拠となる直接工事費などを元沼津市職員の無職の男に教え、市工事検査課主任の男が元沼津市職員の男に漏らして入札の公正を害したとされる。

 市工事検査課主任の男らから価格を伝えられた元沼津市職員の男は3月中旬、同社に最低制限価格の2289万円に近接した2292万円で工事を落札させたという。同地検は3被告の認否を明らかにしていない。

 関係者によると、市工事検査課主任の男は18年3月に定年退職した後、同年4月に再任用され、市工事検査課に配属された。元沼津市職員の男とは現役時代に部下と上司の関係で、同被告を介して元沼津市職員の男と知り合い、関係を深めたとみられている。

 ■市長「原因究明と再発防止努める」
 沼津市発注の駐輪場改修工事を巡り、市工事検査課主任の男(62)と元市職員の男(69)ら3人が公契約関係競売入札妨害などの罪で起訴されたことを受け、頼重秀一市長は8日、「市民に改めておわびする。原因究明に努め、再発防止と信頼回復に取り組む」とコメントを出した。

 市は1日に頼重市長をトップとした不祥事再発防止対策本部会議を設置。契約制度の検証、職員倫理の向上に関する二つの作業部会を設け、本年度内に再発防止策をまとめた報告書を作成する。今後、市工事検査課主任の男本人にも事情を聴く意向で、頼重市長は厳正に処分する方針も示した。