宮城県内の旅館やホテルのおかみが協力し、地域の特産品を詰め合わせた「みやぎご馳走セット」の通信販売を27日から始める。政府の観光支援事業「GoToトラベル」の年末年始の一時停止で宿泊キャンセルが相次ぐ中、起死回生を狙う。みやぎおかみ会の阿部憲子会長(58)は「年末年始を家で過ごす皆さんに宮城自慢の特産品を楽しんでもらいたい」と話している。

 旅館ごとにホタテやアワビ、鯨の加工品、美容品など5000円〜3万円の特産品の詰め合わせセットを準備し、それぞれ通信販売する。商品の購入には、おかみ会が販売する利用券「みやぎお宿エール券」も使える。

 阿部会長がおかみを務める「南三陸ホテル観洋」(南三陸町)ではGoToトラベルの停止期間(28日〜1月11日)の宿泊キャンセルは25日時点で5000人を超える。県内各地の旅館でも数千人規模のキャンセルが相次ぎ、例年の年末年始に比べると売り上げが3分の1まで落ち込んでいるという。

 関連業者や旅行会社にも打撃が広がり、一時回復した観光客が再び激減することも懸念される。阿部会長は「繁忙期の年末年始を目前に各業界が大きな影響を受けている。今回の企画を通して、地域経済を活性化させる一助になりたい」と意気込んだ。
【神内亜実】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20201227-00000009-mai-soci