https://www.timeout.jp/tokyo/ja/news/cbd-alternative-to-drinking-011922
 2022年は、アルコールが独占している社交の場の飲み物としての地位が脅かされる年になるかもしれない。
人々が世界的なパンデミックと未曽有の不安を経験し、健康が重要であると実感している中で、この「飲み物バトル」のリングに上がろうとしているニューカマーがいる。

その挑戦者とは、古くからある成分。
それを含む植物は、人類によって栽培された最も初期の農作物の一つで、何千年もの間、我々に食物、繊維、医薬品を提供してきた。
学名はCannabis Sativa L. で、一般的には「大麻草」などと呼ばれる。

■大麻との出合い
今はロンドンでCBD(カンナビジオール)食品メーカーを経営している私が、この植物の力を理解するようになったのは、裏取引と煙の世界ではなく、
2018年にデンマークのコペンハーゲン近郊にあるヨーロッパ最大の医療用大麻草栽培施設に足を踏み入れたことがきっかけ。
その頃私は、世界最大級の医療用大麻生産者と協業する1年間のプロジェクトへ参加し、人体のエンドカンナビノイド・システム(ECS)と
大麻草由来のカンナビノイドが人の健康と幸福にもたらすメリットに関する教育コンテンツを作成していた。

この経験で、私の大麻に対する視点は変化。
ロンドンのサウスバンクで行われた『Cannabis Europa』というカンファレンスでのオウン・キーナンとの出会いへと発展した。
彼は私の会社、Goodraysの共同創設者になってくれた人物だ。

■アルコールのデメリットと大麻のメリット
キーナンは初期大麻産業におけるベテランである。私は彼と、大麻がアルコールに匹敵する有力商品となり、あらゆる社交の場で消費されるようになるというビジョンを共有。
我々はすぐに、(大麻の)燃焼を前提とする提供は明らかに正しくなく、従うべきモデルがあるとすれば、アルコール飲料業界のそれであるという共通認識に至った。

アルコール飲料は、水分補給と社会的なつながりという人間の基本的な欲求を満たすことができる。製品をとりまく、魅力的なストーリーも多い。
アルコールにはもちろん良い面もあるのだが、人間にとって薬効のない成分であるエチルアルコールを含んでいるのが欠点といえる。
では何であれば、実際に健康にプラスで、気分も良くなれるのだろうか……。
もちろんその答えは、大麻である。

ウルグアイ、カナダ、そしてアメリカの多くの州は、大麻の禁止を撤廃させることに成功し、医療効果に関しては世界中の政府が認めている。
ヨーロッパではドイツ、マルタ、ルクセンブルクが、医療利用のためのプログラム開発と、それに続く大麻の娯楽的使用を許可する法律の制定に積極的だ。

世論の流れも変わり、アメリカの合法州では大麻に対する偏見がほぼ完全に消滅。
わずか数年間で、パーティーでビールやワインを飲むようにCBDやTHC(テトラヒドロカンナビノール)のドリンクを飲んだり、食用大麻をつまんだりするのも普通になった。
ちなみに、言う必要もないかもしれないが、大麻を摂取している人たちが夜の終わりに倒れたり、見知らぬ人に怒鳴ったりすることはほとんどない。

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