「あり得ない事故だ」。日航機と海上保安庁の航空機が衝突、炎上した事故を受けて、専門家らは一様に衝撃を受けた様子だった。

「これほどひどい事故は見たことがない」。元日航機長で航空評論家の山田不二昭氏は、事故の瞬間の映像を確認すると、こう語った。

「滑走路に航空機がいる状況で、別の航空機が進入することはない。地上の指示系統にミスがあった可能性も現時点では排除できないのではないか」と話した。

同じく元日航機長で航空評論家の小林宏之氏も「これほどの火災を伴う事故は、見たことがない。プロのパイロットが管制官の指示を聞き間違えたとは思えない」とした上で、日航機と衝突した海保機が能登半島地震の対応で新潟航空基地に向けて急遽(きゅうきょ)、物資を搬送中だったことを踏まえ「『被災地に早く物資を届けてあげたい』という心理が影響を与えた面はあったのかもしれない」と推測した。

一方、海保OBの男性は「パイロット側のミスなのか、管制官側のミスなのか分からないが、通常はあり得ない事故。不思議だ」と首をひねる。

「暗さが影響したのかもしれないが、海保機は夜間のパトロールもするので夜間に飛ぶこと自体は不思議ではない。乗客が無事なのが不幸中の幸いだが…」と、ショックを受けた様子だった。

産経新聞 2024/1/2 20:22
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