南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた陸上自衛隊の日報問題で、稲田朋美防衛相は28日、特別防衛監察の結果を公表した。日報の電子データが陸自に保管されていたことを非公表にした経緯に、稲田氏が関与したかが焦点だったが、稲田氏が出席した幹部会議で「方針決定や了承はなかった」と結論づけた。会議でデータの存在が稲田氏に報告されていたかについては、「何らかの発言があった可能性は否定できない」とあいまいな認定にとどめた。

 一方、防衛省は監察結果を踏まえ、事務方トップの黒江哲郎事務次官を停職4日、陸自トップの岡部俊哉陸上幕僚長を減給10分の1(1カ月)とするなど計5人を懲戒処分とした。ほかに、2人を防衛省の内規に基づく訓戒処分とした。稲田氏も一連の経緯の責任をとり、大臣給与と議員歳費との差額1カ月分(約46万円)を自主返納する。

 防衛監察本部はまず、情報公開請求に対して昨年7月の日報が不開示となった経緯を検証。同月に最初に請求があった際、派遣部隊から日報の報告を受ける立場にあった陸自中央即応集団の堀切光彦副司令官(当時)が日報を公開対象から外すことを狙い、「(日報は)行政文書の体をなしていない」と指導をしたことが端緒だったと認定した。

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