http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170902/k10011123381000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_005

過激派組織IS=イスラミックステートが「首都」と位置づけるシリア北部ラッカの制圧作戦で、クルド人勢力主体の部隊は旧市街を解放したとしたうえでISの軍事拠点などが集中する地区に進軍したと明らかにし、攻勢を強めています。

シリアのクルド人勢力主体の「シリア民主軍」はことし6月、アメリカ主導の有志連合の支援を受けて過激派組織ISが「首都」と位置づけるラッカの制圧に向けた作戦を開始しました。

この2か月近くは城壁で囲まれた旧市街で激しい攻防が続いていましたが、シリア民主軍は1日、旧市街を解放したとしたうえで、その西側の地区に部隊を進めたことを明らかにし、ISに対する攻勢を強めています。

旧市街の西側はもともとシリア政府の庁舎が集まり、国家を標ぼうするISがそれらの建物を利用して軍事拠点や住民支配のための行政機能を集中させている地区で、ISは強固な防御態勢を整えていると見られています。

ISは完全に包囲されラッカの外からの戦闘員や軍事物資の補給はできない状況で2万人以上の市民をいわゆる人間の盾にしながら抵抗を続けるものと見られます。

一方、国連人権高等弁務官事務所は、先月は有志連合の空爆の巻き添えになる人たちが急増し、市民を救うという本来の目的がないがしろになっているとして、有志連合などに対し、安全な避難経路を速やかに確保するよう強く求めています。

9月2日 6時45分