http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20171109/201711090832_30917.shtml

◆現在の10倍規模 超大型検出器設置

 東京大は、岐阜県飛騨市神岡町の神岡鉱山地下に開発予定の新たなニュートリノ観測装置「ハイパーカミオカンデ」計画の推進を図るため、次世代ニュートリノ科学連携研究機構を発足させた。8日に同町茂住の同大宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設で発足式が行われ、関係者が宇宙の謎に迫る素粒子物理学のさらなる発展に向けて決意を新たにした。

 同機構は、スーパーカミオカンデを擁する同研究所と東大のカブリ数物連携宇宙研究機構、大学院理学系研究科の3機関で構成。理論と実験、観測が強く連携した研究体制を築き、世界のニュートリノ研究をリードする。

 ハイパーカミオカンデ計画は世界15カ国の研究者が参加している国際共同実験構想で、現在のスーパーカミオカンデの10倍規模の超大型検出器(直径74メートル、高さ60メートル)を設置し、2026年の実験開始を目指す。建設費は約700億円を想定している。

 式典には、東大や文部科学省、飛騨市などから関係者約70人が出席。機構長に就任した同研究所の梶田隆章所長は「ハイパー計画が実現すればニュートリノの性質がさらに詳しく分かり、陽子崩壊を発見する可能性もある。素粒子と宇宙に対する知見を大きく広げていきたい」と決意を述べた。この後、屋外で同機構の看板除幕と記念撮影があり、発足を祝った。