信号のない交差点で、人が横断歩道を渡ろうとしている。車を運転中のあなたは、どうしますか−。

このような場合、ドライバーには本来、一時停止が義務付けられているが、
国際的にもマナーが良いとされている日本でも、なぜかほとんど順守されず、事故が多発している。

 兵庫県西宮市で13日、横断歩道を渡っていた5歳の男児が乗用車にはねられ死亡した事故が起きたことを受け、
兵庫県警は取り締まり強化に乗り出した。今月末まで全署で「横断歩行者妨害違反」などを厳しく取り締まる。

事故は13日午後5時20分ごろ、西宮市山口町中野1の県道で発生。
自宅から近くの商店にアイスを買いに行こうとしていた男児(5)が横断歩道を渡っていたところ、
同市のパート女性(66)の乗用車にはねられ、約10時間半後に搬送先の病院で死亡した。
現場は信号のない片側1車線の直線。
目撃者の情報などによると、男児は左右を確認して横断を始めたといい、はねられ転倒したとみられる。

県警によると、2017年1年間の兵庫県内の人身事故は全体では10年前から3割減少したが、
横断歩道横断中の事故は13件増加の878件で、10人が死亡した。
今年は16日午前現在、死亡事故は計7件発生し、うち2件が横断歩道横断中だった。

交差点やその付近では、そもそも歩行者優先。横断歩道がなくても、ドライバーは、横断しようとする歩行者を妨害してはならない。

道交法では、こうした場合、一時停止しないと、3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金が科される。

免許を取得する際、教習所で教えられたはずだが、交差点を渡ろうとしている人を見かけたドライバーが一時停止することは、ほとんどみかけない。
県警は「歩行者優先を徹底してほしい」と呼び掛けている。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201801/0010903837.shtml

取り締まりに出発する白バイやパトカーを確認する県警幹部ら=長田署
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201801/img/b_10903839.jpg