日本一危険といわれた滑り台、策もなく撤去へ
2018年03月16日 08時01分
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 「日本一危険な滑り台」として、インターネットやテレビで話題となった愛媛県今治市朝倉下の「朝倉緑のふるさと公園」にある滑り台について、市は2018年度中に撤去することを決めた。

 昨年4月に幼児がけがをする事故が起きたことを受けて使用を禁止してきたが、安全対策を講じるのが難しく、老朽化も進んでいるのが理由という。

 市によると、滑り台は合併前の旧朝倉村が1991年に設置。長さ約70メートルあり、雨でぬれた遊具を男性が急スピードで滑り、降り口から勢いよく飛び出す映像がテレビやインターネットなどで紹介された。

 市は2016年9月から約1か月使用を禁止。危険な滑り方をしないよう注意を呼び掛ける看板を取り付けた。また、滑り出た人と歩行者がぶつからないよう降り口の先に生け垣を設置して、再開した。

 しかし、昨年4月、抱かれて滑っていた2歳の男児が転落防止柵に額をぶつけ、10針縫うけがをしたことから再び使用禁止に。傾斜を緩くするなどの改修も難しく、完成から27年が経過していることもあり、撤去を決めた。

 市は開会中の定例市議会に提案している18年度一般会計当初予算案に、撤去費用490万円を計上。秋頃には撤去作業を始める。

 代替の遊具として18年度中に、ロープを山のような形状に張った「ザイルクライミング」と呼ばれる遊具を、市内の別の公園から移設する。移設費用690万円も予算案に盛り込んだ。

 市公園緑地課は「公園のシンボルがなくなるのは残念だが、『立入禁止』のテープを切って滑る人もいる。もしものことを考えて撤去することにした」としている。(萩原大輔)

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