昼下がりの住宅街に乾いた音が響いた−。富山市の交番で26日、警部補が男に刃物で刺され、近くの小学校の警備員の男性が警部補のものとみられる拳銃で撃たれた事件。普段は平穏な地域で起きた凶行に、住民には衝撃が広がった。

 現場近くのスポーツ用品店に勤める男性(44)は午後2時ごろ、交番のそばにパトカーが何台も止まり、警棒を持った警察官が何人か入っていくのを見た。警察官から建物内に入るよう言われたが、「しばらくして『パン、パン』と3〜4発、銃声のような音がした」。

 現場には救急車が何台も駆けつけ、騒然とした雰囲気に包まれた。その後、警察官がやってきて、「なたを持った不審者が交番に入ってきて拳銃を奪った。男は確保した」と説明に来たという。

 事件では、亡くなった稲泉(いないずみ)健一警部補(46)は交番の裏口付近で襲撃されたとみられ、交番近くの住人は、「警察官から『(逮捕された男は)警部補を襲ったあと、裏道を使って小学校へ向かったとみられる』と聞かされた。警察犬を使って鑑識活動をしていたが、自分の家の近くでこんなことが起こるなんて」とこわばった表情で話した。

■「まだ信じられない」妻は現実受け止められず

 「うちの父は立派だったと思う」。稲泉警部補の息子は事件後、知人にそう漏らしたという。

 稲泉警部補はまじめな性格で地域の信頼を得ていた。近所の住民らによると、近くの市立奥田小学校の登下校の時間帯になると、児童らが安全に歩けるように見守りをしていた。無職の男性(77)は「交通量のある幹線道路沿いが通学路なので、お巡りさんがいるのといないのでは安全が違う」と話す。

 富山県警によると、稲泉警部補は交番の裏口付近で元自衛官の島津慧大(けいた)容疑者(21)=同県立山町末三賀=に刃物で刺されるなどし、拳銃を奪われたとみられる。主婦(74)は「不意を突かれたのではないか。なんとしても回復して、また地域の安全に貢献してほしかったが…」と声を落とす。

 別の住民によると、稲泉警部補は近くに家族が住んでおり、妻は「今はまだ信じられない」と現実を受け止めきれていない様子だった。息子は「自分の父親は立派だったと思う」と気丈に話したという。

2018.6.26 22:43
産経WEST
https://www.sankei.com/west/news/180626/wst1806260097-n1.html

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