アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空は、世界の航空会社ランキングの常連であり、世界で最も多くエアバスA380型大型航空機を所有している。同社のフライトでは、ファーストクラスはもちろん、エコノミークラスでもワインやビールなどを無料で楽しめる。しかし、先月に同社のフライトを利用したスウェーデン人の歯科医師と4歳の娘がドバイで拘束されたのは、エミレーツ航空が提供する無料のワインが原因だったのだろうか?

ドバイは、高級品ショッピングやスキーのできるショッピングモール、娯楽エリア、超高層タワーのブルジュ・ハリファ、ドバイモールの噴水などで有名な観光地だ。ドバイ国際空港の離着陸乗客数は8800万人で、世界で最も国際便利用者数の多い空港ともなっている。しかし、UAEではアルコールが厳しく規制されているということはあまり知られていない。

英国在住の歯科医師エリー・ホルマンは7月13日、UAEでの5日間の旅行のために娘とロンドンから飛び立った。だがドバイで飛行機を降りると、入国審査官から査証に不備があると指摘され、飲酒したかどうかを問い詰められた。ホルマンは、エミレーツ航空機内で無料のワインを1杯飲んだことを認めた。

ホルマンはこの際のやり取りを動画に撮影したが、それが犯罪であることを知らなかったと主張。また、ドバイでは飲酒が違法であることも理解していなかったという。報道によると、ホルマンは血中アルコール濃度測定を受け、結果は0.04%だった。これは、米国での酒気帯び運転の基準値0.08%の半分だ。ホルマンと娘のビビはすぐに拘束され、パスポートと携帯電話を没収された。

報道によると、親子は当初、食事や水を与えられず、トイレの利用も許されなかった。その後は最終的に3日間にわたって小さな留置室に拘束されたという。ホルマンのパートナーで娘の父親である男性は、丸1日以上2人の行方が分からずにいた。その後、2人の居場所を突き止めた男性は即座にUAEに向かい、娘を連れ帰った。

ホルマンは留置場から出されたものの、1カ月近くのUAE滞在を余儀なくされた。嫌疑を晴らすための法的費用は4万ドル(約440万円)以上に上り、家族の預金は底をついたという。ホルマンは裁判のため1年にわたり出国できない恐れがあったが、英・豪メディアの報道が白熱したことなどにより、政府はホルマンを解放することに決め、彼女はついに先日英国に帰国した。

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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180820-00022590-forbes-int