距離置く安倍氏、引けぬマクロン氏 15分間の日仏会談
ブエノスアイレス=和気真也、小野甲太郎、パリ=疋田多揚2018年12月1日21時26分

 安倍晋三首相とマクロン仏大統領は30日午後(日本時間1日未明)、日産自動車と仏ルノーの提携関係をめぐり、アルゼンチンで開かれている主要20カ国・地域(G20)首脳会議の会場で急きょ会談した。三菱自動車を加えた3社の提携の維持を求めるマクロン大統領に対し、安倍首相は「政府が関与するものではない」と距離を置いた。首脳が乗り出す外交課題に発展した3社連合の行方は、ますます混沌(こんとん)としてきた。

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 会談は15分間。ルノーに15%出資する仏政府側の要請で開かれた。仏大統領府によると、マクロン大統領は3社の関係が今後も維持されるよう求めた。

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 高い失業率と3割を切る低支持率にあえぐマクロン大統領には引くに引けない事情がある。ルノーを通じた日産への影響力が低下すれば、自国の経済や雇用に悪影響が避けられない。
 一方、日本政府によると、安倍首相は3社連合のあり方について、「民間の当事者で決めていくもので、政府が関与するものではない。当事者が納得いく形で、議論が建設的に進むことを期待している」との考えを示し、政府の「介入」は避けたいとの意向を伝えた。

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