インフルエンザが全国的な流行期に入った。粉を吸入するタイプや点滴薬が普及しているが、今年は錠剤を1回飲むだけの新薬も登場した。治療薬の選択肢は広がっている。

 12月上旬、大阪府大東市の「水野クリニック」。近隣の小学校がインフルエンザで学級閉鎖されたこともあり、午前9時の開院から待合室は患者で埋まった。

 39度超の発熱でインフルエンザと診断された近くのパート女性(39)は、塩野義製薬の錠剤「ゾフルーザ」を処方された。服用は1回で済む。数日前に発症した小学4年の次男(10)も使い、女性は「普段は薬を嫌がる子どもも文句を言わずに飲んでくれた」と話した。

ゾフルーザは今年3月に発売され、今冬、本格的な流行期を初めて迎える。これまでの治療薬がいずれも細胞内で増殖したウイルスが外に広がるのを防ぐのに対し、増殖そのものを抑制する。水野仁文医師(51)は「ウイルスを減らすのが速く、高熱や体の痛みで苦しむ日が少なくて済む」と説明する。

インフルの治療薬は2000年に粉末の薬を吸入する「リレンザ」(英グラクソ・スミスクライン)が初めて発売され、01年にはカプセルを複数回服用する「タミフル」(中外製薬)が登場した。現在、最も供給されているのは吸入式の「イナビル」(第一三共)だ。

 治療薬は飲み方や回数が異なり、症状や年齢などに基づいて医師が判断する。

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