数学の超難問「リーマン予想」を証明したと、昨年9月に発表した、英エディンバラ大名誉教授のマイケル・アティヤ氏(89)が今月死去していたことがわかった。科学誌に投稿中だった論文はどうなるのか?

 160年前に提案された謎の行方は――。

 リーマン予想は、ドイツの数学者ベルンハルト・リーマンが1859年に提案した素数に関する未解決問題。2、3、5、7……と無限に続く素数の不思議な性質の解明につながるとされる。名だたる数学者が試み、証明の名乗りも何度もあったが、その度に誤りが判明し、160年間挑戦をはねつけている。

 アティヤ氏は、幾何学とトポロジーが専門で、20世紀の数学の金字塔と言われる「アティヤ=シンガーの指数定理」で名をはせた。数学の「ノーベル賞」と称されるフィールズ賞(1966年)やアーベル賞(2004年)などを受賞し、世界で最も偉大な数学者の一人に挙げられる。英王立協会などによると、1月11日に亡くなった。死因は明かされていない。

 アティヤ氏が、リーマン予想の「証明」を発表したのは、昨年9月24日、ドイツで開かれた数学フォーラムの講演だった。発表は事前に予告され、講演は世界に生配信された。ある物理定数を数学的に導出する過程で「リーマン予想が偶然解けた」と説明した。

 難攻不落の難問を「天才」と称された数学者が解いたのか――。ネット上で話題になる一方、見慣れぬ手法に専門家は懐疑的な見方も多かった。

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朝日新聞デジタル
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