【ニューヨーク=後藤達也】ニューヨーク州は新型コロナウイルスの検査体制を強化する。クオモ知事は25日の記者会見で小規模な薬局でも検査ができるよう知事令を出すことを表明した。連邦政府と連携し、1日の検査件数を現状の2万件程度から4万件へと倍増させる考えだ。感染済みかを簡単に調べる抗体検査も拡充する。

ニューヨーク州では喉や鼻から採取したサンプルを研究所に集め、ウイルスの有無を調べる「PCR検査」を積極的に進めている。研究所の検査能力に余裕が出始めているが、採取する拠点が不足している。クオモ氏は「ニューヨーク州には約5000の薬局があり、すぐに収集力を高める場所になる」と述べた。トランプ大統領は21日にクオモ氏と会談し、検査へ協力する考えを示した。

新型コロナへの抵抗力を持つかどうかを調べる「抗体検査」もニューヨーク市を中心に拠点を増やす。抗体検査は19日から1日2000件程度実施している。感染の実態を把握し、今後の拡大予防や経済活動再開の判断につなげる。

ニューヨーク州の24日の新型コロナによる新規の入院患者は減少しており、現在入院している総数も4月1日以来の水準に減った。24日の死者は437人と前日より15人増えた。

日本経済新聞 2020年4月26日 2:07
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58513810W0A420C2000000/