6/4(木) 11:58
配信
Web東奥

 青森市油川中道の住宅で5月31日、住人の無職佐藤淳子さん(61)が遺体で見つかった事件で、殺人容疑で逮捕された同居する長男で無職の容疑者(35)が、今後の生活を巡り淳子さんとトラブルになっていたとみられることが、捜査関係者への取材で3日分かった。2人は長年一緒に住んでいなかったが、容疑者の父親の死を受けて同居を始めていた。青森署捜査本部はトラブルが犯行動機となった可能性があるとみて、裏付けを進める。

 捜査本部によると、容疑者は「母親と親子関係が悪かった」という趣旨の供述をしている。付近住民ら関係者の話を総合すると、容疑者は県外の大学に進学した後、青森市で祖父らと生活し、両親は弘前市などで暮らしていたという。淳子さんとは以前から折り合いが悪く、父親が間を取り持っていたとみられる。

 今年3月に祖父が亡くなった後、父親が青森市に移り容疑者と暮らしたが、5月18日に病死。遺品整理などのため淳子さんが弘前市から青森市に引っ越した。

 捜査本部は、住む場所や暮らし方を巡り、淳子さんと容疑者の間で考えに食い違いがあったことが、事件の要因となった可能性があるとみているもようだ。

 一方、淳子さんが最近まで暮らしていた弘前市の住宅周辺では、夫の死後、淳子さんが今後の生活について付近住民に不安を漏らしていた。住民によると、夫が亡くなった直後に訪ねてきた淳子さんは「これからどうしたらいいだろう」と泣きながら話し、容疑者との今後の暮らしを不安視しているようだったという。

▽家庭菜園楽しむ主婦/淳子さん、引っ越し前

 亡くなった佐藤淳子さん(61)が引っ越し前まで住んでいた弘前市の住宅周辺の住民らによると、淳子さんは専業主婦として転勤の多かった団体職員の夫を長年支え、家では畑仕事を楽しんでいたという。

 近くに住む70代の女性は「(淳子さんは)5年ほど前に引っ越してきて、お互い家庭菜園をしていたので野菜の話などをしていた」と言う。淳子さんはトマトやジャガイモのほか、バラの花も育て、花が咲くのを楽しみにしていたという。

 付近に住む高齢の男性は「おとなしい人で、嫌われるような人ではなかった。あまり近所づきあいはなかった」と話した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b8bb3540d2b789a1f234410f3072650f26dd0fbc