商船三井がチャーターした貨物船が、インド洋の島国モーリシャスの沖合で座礁した事故で、貨物船が事故の前、地元の沿岸警備隊からの複数回にわたる呼びかけに応じていなかったことが分かり、警察は当時の船内の状況について詳しく調べています。
岡山県の長鋪汽船が所有し、商船三井がチャーターしていた貨物船「WAKASHIO」は先月25日、モーリシャスの沖合で座礁し、その後、燃料の重油などが大量に流出しました。

事故について捜査している地元の警察関係者が24日、NHKの取材に明らかにしたところによりますと、貨物船がモーリシャス付近で通常と異なる海域を航行していたため、沿岸警備隊が複数回にわたって呼びかけたものの、応答はありませんでした。

貨物船がようやく応答したのは、座礁したあとだったということで警察は事故が起きる前の船内の状況について、詳しく調べています。

この事故で警察は、これまでにインド人の船長とスリランカ人の副船長を航行の安全を脅かした疑いで逮捕し、スリランカ人やフィリピン人の乗組員18人からも事情を聴いています。

調べに対し、乗組員たちは「インターネットに接続するため島に近づいた」とか、「船員の誕生会を開いていた」などと話しているということですが、警察関係者は「慎重に捜査を進めている」としています。

逮捕された船長ら2人は、25日に現地の裁判所に出廷し、保釈が認められるかどうか判断されることになっています。
モーリシャス当局 貨物船前方の処分を完了
モーリシャス当局は、24日、座礁後に2つに割れた貨物船の船体のうち、前方の部分を沖合までえい航した上で海に沈めて処分する作業が完了したと発表しました。

当局が公表した写真では、船体が白い水しぶきを上げながら沈んでいく様子が確認できます。

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