※読売新聞

【ワシントン=船越翔】米食品医薬品局(FDA)が米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンについて、近く緊急使用許可を出す見通しとなった。ワクチンの効果や安全性を検証したFDAの専門家グループが10日、ワクチンの接種は「リスクより利益の方が大きい」と結論づけた。早ければ来週初めにも接種が始まる見込みだ。

ファイザーと独製薬企業ビオンテックが開発したワクチンは、最終段階の臨床試験で95%の予防効果があったとの結果が出ている。深刻な副作用は確認されておらず、専門家グループは16歳以上への緊急使用は容認できると判断した。

米政府によると、FDAの承認後、24時間以内にワクチン640万回分を全米各地に出荷する。米疾病対策センター(CDC)は医療従事者や介護施設の入所者を優先的に接種する方針で、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は近く、米政府が詳しい接種計画を明らかにすると伝えている。

ファイザーのワクチンは、英国やカナダ、バーレーンで承認され、英国では8日から接種が始まっている。ファイザーは今後さらにワクチンの安全性のデータを集め、来年4月にFDAに正式承認を求める方針だ。

米バイオ企業モデルナも、開発中の新型コロナワクチンの緊急使用許可をFDAに申請している。FDAの専門家グループは17日に承認に向けた議論を行う予定で、米国では2種類のワクチンが年内に実用化される可能性がある。

2020/12/12 07:47
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20201212-OYT1T50075/

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