テツの広場
「凸型」DD51、来年3月に引退へ 北斗星や出雲にも

臼井昭仁
2020年12月18日 16時42分

 国鉄時代から、主に電化されていない地方の路線で、客車や貨物を牽引(けんいん)する主力として活躍したディーゼル機関車「DD51形」が、定期運用から外れる見通しとなった。JR貨物が18日発表した来年3月のダイヤ改定で明らかになった。
 DD51は、蒸気機関車に代わる機関車として1962(昭和37)年に誕生。78(同53)年までに約650両が製造された。朱色をベースにし、側面からみると運転台が中央にある「凸型」の車体が特徴だ。JR発足後も各社に引き継がれ、旅客や貨物の輸送を担った。
 上野と札幌を結んだ寝台特急「北斗星」や東京と山陰地方を結んだ寝台特急「出雲」など数々の名車を牽引。2011年3月の東日本大震災の直後には、非電化区間を利用し、被災地へ約1カ月間の緊急石油輸送で使われたことでも知られる。
 近年は大半の車両が引退。JR各社の一部で、駅構内の車両入れ替え用などに使っていたが、定期運用をしていたのは6両を残すJR貨物の稲沢機関区(愛知県稲沢市)だけだった。うち現在は3両が四日市駅(三重県)などと往復して、石油類やコンテナを運んでいた。
 関係者によると、来年3月の引退はすでに広く知られており、沿線に撮影で訪れる鉄道ファンは増えている。(臼井昭仁)

https://www.asahi.com/articles/ASNDL5DYSNDLOIPE012.html