毎日新聞(12月30日 12時46分)
https://mainichi.jp/articles/20201230/k00/00m/040/080000c

 「マスクを外してほしい」。接待を伴う鹿児島市内の飲食店で新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生し、接客にあたる従業員が客からこんな要求を受けていたことが、市の記者会見で明らかになった。感染対策に懸命となる店側と、無頓着な利用客との意識の落差も垣間見える。こうした客の求めにどう対応したらいいのか、頭を悩ます店側の声も聞かれる。

 12月10日、鹿児島市内での新たなクラスター発生に伴う会見で市が言及した。クラスターが発生した店名は非公表で、客がマスクを外すよう求めた詳細な事情や感染との関連は不明だが、市によると実際にマスクを外して接客する場面もあったという。鹿児島県内では15カ所のクラスターが確認されており、この店の関連では54人(12月29日現在)の感染が判明している。

 このほか市は会見で、別の飲食店での例として、従業員が着けたフェースガードを外すよう客から求められたり、座席に置いたアクリル板を外されたりしたといった報告が寄せられていると説明した。