https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2103/08/news138.html
「楽天モバイルの関係者の方へ 弊社はこの問題を放置することを適切と考えておらず、貴社からの連絡を歓迎致します」――インターネット回線サービスを提供する福井ケーブルテレビ(FCTV、福井県福井市)とさかいケーブルテレビ(福井県坂井市)が3月5日にそんな異例のプレスリリースを出した。

内容は、FCTVが提供する家庭用のインターネット回線サービスによるWi-Fi環境で楽天モバイルの通話アプリ「Rakuten Link」を利用すると、通話に支障が出るというものだ。
相手の声は聞こえるが自分の声が届かない「片通話」の症状や、発着信が出来ないトラブルが発生しているという。

FCTVには同様の相談が複数件寄せられており、中には激怒して連絡してくる利用者もいる。
そうしたことから、FCTVが楽天側に技術的なアドバイスを求めると、楽天モバイル側から「そのような対応はできない」という返事があったという。

そこで同社は独自に技術検証を実行。その結果、Rakuten LinkがグローバルIPアドレスが割り振られる環境下では正常に動作することが分かった。

その後、FCTVは楽天側に再度連絡したものの、数週間連絡がないため公表に至ったという。
FCTVの技術担当者は「利用者には楽天モバイルに相談するよう呼びかけているものの、楽天モバイル側もうちに相談するよう案内しているようだ」と話す。
FCTVは「弊社では回答すべき内容を楽天モバイルから提供されていない」としており、利用者への責任の所在を巡り、両社が対立している状況だ。

また、FCTVは「弊社ではRakuten Linkの動作は保証できません。
本件については楽天モバイルにお尋ねください」ともしており、現時点では楽天モバイルの契約プランの変更を利用者に求めている。

しかし「グローバルIPを利用するプランへの契約変更では金銭的な負担が増えるが、(楽天モバイルは)自社のサービスではない。
お客さまに負担を強いるのは心苦しい」と胸中を告白。
「現時点でグローバルIPなら接続できると確認しているが、仕様変更で接続できなくなる可能性もあり、現状の措置も利用者に責任をもって案内できない。
利用者に確実に案内するためにも、楽天側の技術サポートが欲しい」としている。