新型コロナウイルスの流行「第5波」の8〜9月に感染した18歳以下の子どもの7割以上が自宅で感染していたとする分析結果を、厚生労働省がまとめた。夏休みの影響とみられ、小中学校などが再開した9月以降は15歳以下で、学校などでの感染割合が増えている。

 感染者の情報が入力されているシステム「HER―SYS(ハーシス)」を利用し、8月1日〜9月13日のデータを集計した。3〜18歳の感染者は計10万2759人。うち感染場所が特定できた1万5619人を分析すると、自宅での感染割合が最も高く、75・1%の1万1724人だった。保育園など福祉施設を利用する3〜5歳の幼児を除き、6〜18歳の児童・生徒らは年齢が上がるほど学校などでの感染割合が高くなっていた。

 一方、夏休みが明けた9月に入り、学校や福祉施設での感染割合が増加。8月の3〜5歳の感染者計2265人のうち、福祉施設での感染者は9・8%の223人だったが、9月は13・6%の101人が感染した。6〜12歳、13〜15歳の児童・生徒も学校などでの感染割合が高くなっていた。

 自宅での感染者が7割を超えた理由について、コロナ対策を担当する内閣官房の佐々木健内閣審議官は「夏休みの影響がある」と推測した。

 また、厚労省が小学校で発生したクラスター(感染者集団)について調べたところ、9月6〜12日の1週間は集計を始めた4月以降最多の32件に上った。

 12歳未満は新型コロナワクチンの接種対象者に含まれておらず、今後子どもの感染がさらに増える可能性がある。国立感染症研究所の脇田隆字所長は「家庭内であれば子どもたち以外の親きょうだい、小学校では職員になるべくワクチン接種を進めていく必要がある」と訴えた。【小鍜冶孝志】

毎日新聞 2021/9/19 18:37(最終更新 9/19 18:58)
https://mainichi.jp/articles/20210919/k00/00m/040/084000c