ドイツに本社を置く兵器メーカーのラインメタルは2022年2月18日(金)、開発中の次世代戦闘車両「リンクス(Lynx)」の派生型として、新たに大口径砲を搭載した火力支援型を開発したと発表しました。

「リンクス120」と名付けられたこの車両は、オーストラリアなどに提案中の歩兵戦闘車型KF41の車体に、新開発の大型砲塔を組み合わせたものとのこと。

 砲は、レオパルト2戦車を始めとして世界各国で採用され実績のある120mm滑腔砲で、これにより優れた火力支援能力と対戦車戦闘能力を有しているといいます。

 また砲塔上部には独立式の遠隔操作銃塔(リモートウエポンステーション)を備え、ここに12.7mm重機関銃などを装備することが可能です。ほかにも自動で目標を検出する機能や追跡機能を有した全周旋回式のカメラシステムを備えており、これらにより乗員の作業負荷が軽減されるようになっているそう。

 特別仕様のモジュラー構造装甲材を採用することでミッションごとの防御力更新が可能なほか、ラインメタルが開発したアクティブ防御システム(ADS)を容易に搭載することができるようになっているといいます。

 このような性能により、「リンクス120」は打撃力、防御力、機動性、生残性についてバランスのとれた性能を有しているとのこと。「リンクス」戦闘車両システムは2021年にハンガリーが採用しているほか、オーストラリアとスロバキアでトライアル中です。加えて現在、アメリカの有人戦闘車両(OMFV)プログラムでも評価試験中であり、ラインメタルはこれらの国々に対して追加提案が可能だと説明しています。

02/24 07:22 乗りものニュース
https://article.auone.jp/detail/1/2/5/90_5_r_20220224_1645654941639324
画像
120mm滑腔砲を搭載した火力支援タイプの「リンクス120」(画像:ラインメタル)。
https://portal.st-img.jp/detail/83d681446572b3c643a21431a20ec0d6_1645654941_1.jpg