最初に、以下の写真を見てほしい。※ソース元参照
ペットボトルや缶の飲料商品を梱包(こんぽう)している段ボールに、所々、擦れやへこみの傷が見られる。

これらの傷は倉庫出荷やトラックの配送時に付いたものだ。中の商品自体に影響はない。それでも、現場で「出荷NG」と判断される。このように、段ボールの傷だけで中の商品ごと返品・廃棄されるケースが後を絶たないという。

飲料大手のサントリーは課題を解決すべく、富士通と手を組み、今年(2023年)から業界全体を巻き込んだある取り組みを始めた。それは、返品の判断基準を現場の担当者の勘や経験知だけに頼るのではなく、AI(人工知能)を用いて標準・統一化することだ。

なぜこうした返品が起きるか。新たな取り組みで、どのような効果を見込めるのか。

◼「食品ロス」にとどまらない社会的損失

「納入先からクレームを受けるかもしれない」
「得意先には見た目のきれいなものだけを届けたい」

サントリー、サプライチェーン本部の上前英幸さんは、例えば上記のような理由で、流通現場の担当者が梱包段ボールのわずかな破損で返品を決めてしまうケースを長年、目にしてきたという。

清涼飲料業界や流通業界では、輸送・保管中の梱包段ボールに傷があった場合、出荷可否の判断は、担当者の目視で行っている。判断のばらつきをなくすため、経産省や農水省、食品メーカーなどでつくる「飲料配送研究会」が2019年から段ボール破損の許容範囲について判断基準を提唱しているが、広く認知されているわけではない。

ひとたび返品となれば、影響は食品ロスにとどまらない。現場で担当者間の手続きなどが発生し、トラックドライバーの待機時間が長引く「輸送ロス」が発生する。さらに、梱包のやり直しといった「作業ロス」も発生する。

テクノロジーを用いた課題解決を模索しつつも、現場の状況はデータ化されておらず、システム導入で解決を図るにもROI(投資対効果)が明確ではない。上前さんの課題意識は中々マネジメント層に浸透しなかった。

そんな中、ドライバーの残業時間規制で人手不足に陥る「2024年問題」に世間の関心が高まり、課題解決に向けたプロジェクトの始動を後押しした。

◼「目視による判断」AIでどう変えた?

上前さんは、富士通の担当者に現状の課題を伝えたところ「AIソリューションで解決できそうだ」という回答を得て、19年9月にプロジェクトが動き始めた。

プロジェクトの推進にあたり、上前さんらが強く意識したのは、単に段ボールの破損判定システムを開発するのではなく、流通業務全般のDXにつながる仕組みを新しく構築する、という点だった。サントリー1社だけでなく、業界全体を巻き込んで破損判定の標準化を目指した。

実際に、どのようなシステムを構築したのか。

富士通が開発したのは、スマートフォンを使って段ボールの破損判定ができる専用アプリ。従来は現場の担当者が目視で行っていた段ボールの出荷可否の判断を、ディープラーニングで自動化する方法だ。

まず、現場の担当者がアプリで段ボールを撮影する。その後、画像解析によって「破れ」「胴膨れ」「角つぶれ」などと破損状況が分類される。その結果を過去のデータと照らし合わせ、5枚の類似画像が過去の出荷可否の判定結果とともに表示される。

担当者は、過去の判定結果を参照しながら、出荷可否を判断する――という仕組みだ。

まずはサントリーの三郷倉庫(埼玉県三郷市)で実証実験を開始し、破損した段ボールの写真を撮ってサンプルを収集。現場の担当者の意見を拾い上げ、判定結果をフィードバックする作業を繰り返した。
現在も、AIによる破損の判定精度を高めるため、サンプル写真を多く集めている。これまでに集めたのは約3000枚。今後5000枚程度まで増やしていく方針だという。

(略)

◼返品の背景に「日本の美的感覚」?
課題解決へ一歩を踏み出した今回のプロジェクト。しかし、そもそもなぜ、こうした「返品」は続いてきたのだろうか。

本来、梱包段ボールは、中身の商品を守る役割を持っており、表面の傷はその役目を果たしている証ともいえる。「本当に中身に問題があれば、飲料商品なので液体が漏れるはず」と上前さんは話す。

それでも長年、返品が起きてきた理由の一つとして、上前さんは「日本の美的感覚」に言及する。

全文は
https://news.yahoo.co.jp/articles/fa39e17b656dbc23315460920c600e78b3bf6c57

ITmedia ビジネスオンライン
2023年12月23日8:00

1:2023/12/23(土) 11:03:38.15
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