インターネット上であらゆるサービスへのログオンに使われるパスワード。だが使い回しや流出が問題になり、もし忘れれば自分のアカウントにログオンできなくなる。

米フェイスブックはそんな状況を変え、いずれパスワードをすたれさせる目的で、新しい復元ツール「Delegated Account Recovery」の試験版をこのほど公開した。

同ツールでは、フェイスブック以外のアプリやウェブサイトのパスワードを忘れた場合でも、フェイスブックを使って本人であることを確認できる。友達の写真を見分けるなどの方法を通じてログインできるようにする仕組み。

「安全を守るために情報を使ってもらえるようにしたい。でもプライバシーと引き換えにはしたくない」。フェイスブックの担当者はそう語る。「今現在は、(本人認証の方法として)母親の旧姓を500カ所に伝えている状況。もしその1つでもハッキングされれば、全てが危険にさらされる」

パスワードを忘れた場合、復元のためのリンクを電子メールで受信するなどの方法が一般的だ。しかしフェイスブックの新ツールの方が安全性は高いと同社は主張する。電子メールアカウントはハッキングされる可能性もあるのに対し、フェイスブックの復旧方法は、電話番号やメールアドレスが変わった場合でも利用できる。

もっとも、ユーザーについてのあらゆる情報を収集し、それを広告に利用するフェイスブックを信頼できるのかという疑問は残る。もしもフェイスブックのアカウントがハッキングされれば、連動させた別のアカウントも不正ログインされかねない。

これに対してフェイスブックは、不正を見抜くための安全措置があり、不審な動きがあればユーザーに通知されると説明している。

ソース/CNN
http://www.cnn.co.jp/tech/35100093.html