大阪環状線(21・7キロ)が全線で開業して、今年で60年。商都・大阪の中心部をつなぐ主要路線でありながら、「暗い」「汚い」とイメージが悪いと言われ、利用も減少傾向のため、JR西日本は「大阪環状線改造プロジェクト」として「明るい、きれい、わかりやすい」などをテーマに、新車両の投入や駅設備の刷新などを進めている。(松久高広)

大阪環状線は大阪市内の19駅が連なり、平日には内回り、外回り合わせて227本が運行している。京都や奈良と結ぶ大和路快速が走ったり、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」へ向かう桜島線と接続したりと、市内外の住民に身近な存在だ。

 JR東日本の山手線と並ぶ環状の鉄道路線として知られるが、最初から“輪”にしようとした訳ではない。始まりは、1895年に私鉄「大阪鉄道」が開業した天王寺―玉造間。大阪駅まで延伸された後に国有化され、東側の“半円”ができあがった。私鉄「西成鉄道」が98年に運行を始めた大阪―安治川口間や、1928年に完成した貨物線の大阪臨港線を加え、61年4月に環状線として開業した。

 それから半世紀を経て施設は老朽化。乗客へのアンケートでも、悪いイメージの回答が目立つようになった。利用者数は2割以上も減った区間もあり、JR西は「『行ってみたい』『乗ってみたい』路線にイメージチェンジする必要がある」として2013年から改造プロジェクトを始めた。

“改造”の一つが新型車両の投入だ。長く環状線を走ってきた「103系」や、国鉄時代に量産された「201系」に替わり、2016年から「323系」を導入。車いすスペースを各車両に設け、壁面のモニターに4か国語で案内表示をするといった「JR西初」の技術をふんだんに盛り込んだ。

 ホーム床面の乗車位置案内も一新。大阪駅では奈良と結ぶ大和路快速はシカ、和歌山へ向かう紀州路快速はミカンなど、色やイラストで分かりやすく表示。乗り換えの利便性向上のため、森ノ宮駅など4駅では大阪メトロの運行情報の提供を始めた。

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