http://www.bbc.com/japanese/41316182

ミャンマー北西部ラカイン州から40万人以上のロヒンギャ族が隣国バングラデシュに逃れている問題で、ミャンマーの実質的指導者アウンサンスーチー氏は19日、公の場で初めて問題に言及し、「国際社会のせんさく」は恐れないと表明した。ノーベル平和賞受賞者のスーチー氏は、ロヒンギャ危機の対応をめぐり国際社会から強く非難されている。

国会で演説したアウンサンスーチー氏は8月下旬に始まった今回のロヒンギャ危機について、初めて公の場で言及。穏やかな調子ながらも批判をはねのける姿勢を示しながら、紛争に巻き込まれた「すべての人」の苦しみに「深く」感じ入っており、自分も政府も「あらゆる人権侵害と違法な暴力を非難する」と強調した。さらに、ミャンマーは「この国家のすべてのコミュニティーにとって(中略)持続可能な解決の実現に注力している」と表明した。

スーチー氏は加えて、すべてのムスリム(イスラム教徒)がラカイン州から避難したわけではなく、暴力はやんだと述べた。

スーチー氏は、ニューヨークで開かれている国連総会への出席を取りやめたものの、政府が問題にどう対応しているか国際社会に知ってもらいたいとも話した。

ミャンマー政府は「ロヒンギャ」という単語を使わず、「ベンガル系ムスリム」や「ベンガル人」と呼ぶ。アウンサンスーチー氏も国会演説で「ロヒンギャ」という単語を避けた。

演説ではそのほか――、

軍部批判には言及せず、今月5日以降は「武力衝突や強制排除作戦」は行われていないと述べるにとどまった。

ほとんどのムスリムはラカイン州に留まっていると述べ、現地の状況は言われているほど厳しくはないと示唆した。

避難したムスリムと留まったムスリムの双方から話を聞き、危機の根幹にあるものを探りたいと述べた。

政府は近年、ラカイン州のムスリムに医療や教育を提供し、インフラを整備するなどして、生活条件改善に取り組んできたと述べた。

バングラデシュに避難した全員について、状況確認の手続きを経て、帰国を認めると方針を示した。
(リンク先に続きあり)

(英語記事 Rohingya crisis: Suu Kyi does not fear global 'scrutiny')

2017/09/19